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平成14年10月 国指定重要文化財 指定

飯野八幡宮 本殿・飯野家文書・大薙刀に続き
下記の文化財が国指定になりました。

楼門唐門神楽殿宝蔵仮殿(御輿殿)若宮八幡神社本殿

唐 門(からもん)

 本殿と拝殿・幣殿を取り囲む瑞垣の南面中央にある小規模の平唐門である。

 唐門は建立および修理に関する記録がほとんどなく、建立時期の特定は困難であるが、その様式、細部形式に拝殿向拝部分と非常に近いものがあり、元禄期の飯野八幡宮境内修理の時期に合わせて建立されたものと考えられるのが妥当と判断される。建立後は屋根葺替などの修理を行いながら現在に至っており改造は、屋根をそれまでのこけら葺から、瓦棒式銅板葺に改めた程度である。

 唐門は、一間一戸平唐門で、柱は円柱(上部粽付き)で柱上には三つ斗を組み棟木を受ける。正・背面に控え柱を建て本柱とは貫で繋ぐ。根肘木で腕木を受け、腕木上に桁を乗せる。軒は一軒繁垂木、垂木は茨垂木とする。柱通り中央に板蟇股を納め、巻斗・実肘木で棟木を受ける。屋根は瓦棒式銅板葺(当初はこけら葺)。

 この門は小規模で、質素に造られているが、仕事の質もよく、細部意匠も江戸中期の時代の特性をよく示している。また、元和元年から一貫して造営された飯野八幡宮社殿の中で、社頭の景観を保つため主要の位置を占めている。