平成14年10月 国指定重要文化財 指定
飯野八幡宮 本殿・飯野家文書・大薙刀に続き
下記の文化財が国指定になりました。
神楽殿(かぐらでん)
本殿と拝殿・幣殿を取り囲む瑞垣の南面東半を占め、唐門の東にある。建物は桁行二間、梁間二間、入母屋造で南面している。
神楽殿からは建立時期および修理を示す墨書などは発見されていないが、社蔵の『八幡宮萬御造営之帳』に「ちこまひ堂すたて造作まて・・・亥八月八日より」とあり、この建物が元和九年(一六二三) に建立されたことを記しており、建物の様式より見てこの頃の建立と見てまちがいないと思われる。
建立後の修理については、前記した『八幡宮萬御造営之帳』に「寛永十三年(一六三六)子八月ちこまひ堂上ふき・・・」の記述があり、この頃に第一回目の屋根葺替が行われたとみられる。その後は記録もなく時期は不明であるが、小屋および妻飾りの改造と建立当初は設けられていた南面の庇を撤去、柱の取替などの修理が行われた。近年に至り、昭和三十四年(一九五九)に屋根をそれまでのこけら葺から鉄板葺に改めている。
神楽殿は桁行二間、梁間二間の小規模の建物で、柱間面取り角柱で礎石建ち、各柱間は開放とし、床は拭い板敷、天井は格天井とする。軒は一軒疎垂木、屋根入母屋造鉄板葺(旧こけら葺)である。
この建物は小規模で簡素の社殿であるが、柱の面は大きく、垂木および軒廻りの反り、格天井および軒廻りなどに中世風の意匠を残し、天井板には彩画を施すなど、本格的な造りとなっており、飯野八幡宮境内を構成する主要な建物と言える。