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平成14年10月 国指定重要文化財 指定

飯野八幡宮 本殿・飯野家文書・大薙刀に続き
下記の文化財が国指定になりました。

楼門唐門神楽殿宝蔵仮殿(御輿殿)若宮八幡神社本殿

宝 蔵(ほうぞう)

 境内の西面ほぼ中央にあり、神社の祭道具などを収納している土蔵造りの蔵である。

 建立時期については不明であるが、隅木に墨書が残り、それによると寛文四年(一六六四)に屋根葺替を行ったと記述されており、建立はそれよりも遡ることとなる。建立時期が寛文よりも以前となると、元和〜寛永期に行われた一連の造営に合わせて建設した可能性はあるが、現在葺かれている瓦などの様式より見て、現在の建物はそこまで遡らないと思われる。あるいは、屋根瓦はその後の葺替の時期に取替えられたかもしれない。いずれにしても疑問の残る建物である。今後の調査によって明らかになることを望むものである。建立以後の修理時期については不明であるが、近年に至り昭和十四年に屋根葺替および壁、内部の修理を行い現在に至っている。

 建物は、土蔵造、寄棟造、本瓦茸で東面している。内部は一室とし、一間ごとに柱を建て、桁行三間、梁間二間で東面中央間出入口とする。外部は漆喰塗で、腰はなまこ壁とする。屋根は寄棟造、本瓦葺で瓦は釉薬瓦を葺く。

 この蔵は建立時期については疑問が残るものの、比較的簡素なものであるが改造も少なく、よく当初の姿を残し、この地方における現存する釉薬瓦を使用した瓦葺の建物としては、貴重なものである。