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経蔵 神庫 たからくら

報告会ならびに現場説明会
平成22年7月4日(日)

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飯野八幡宮所蔵
指定文化財 工芸品 展示一覧

国指定 重要文化財 工芸品  大薙刀(銘 備州長船住盛景)
市指定 有形文化財 考古資料  青銅製 鈴杏葉
市指定 有形文化財 工芸品  竹林七賢図硯屏
市指定 有形文化財 工芸品  仙女蟠桃図硯屏
市指定 有形文化財 書跡  飯野八幡宮 射具記
市指定 有形文化財 書跡  飯野八幡宮 廉帳賛并序

大薙刀(おおなぎなた)
銘 備州長船住盛景(びしゅうおさふねじゅう もりかげ)

盛景は備前国(岡山県)大宮に住み、相伝備前の作風を伝えて、南北朝期に活躍した刀工である。この時代に流行した大薙刀の典型的作例で、当時の薙刀で 健全な姿で残っているものは 数振といわれ貴重な逸品である。飯野家の祖・伊賀盛光の所持品と伝えられる。

国指定重要文化財   指定 昭和49年6月8日(工第1887号)
昭和48年3月1日 重要刀剣指定   身長(刃のみ) 130.5cm 反り 6.5cm

青銅製 鈴杏葉(せいどうせい すずぎょうよう)

杏葉は装飾的な役目の馬具で、鈴杏葉は鈴がついたものである。 この鈴杏葉は飯野家が明治初年ころ入手したものと伝えられ、大須賀いん軒の刊本『磐城史料』(明治45年)の中に「駅路鈴・飯野氏蔵」として掲載。

青銅製の鋳造品で逆三角形の剣菱形の各角に一箇ずつ鈴がつく形態。鈴の中に小礫の珠が入っていて、振るとにぶい音がする。鈴の表面には隆線による円圏内に珠文が鋳出されている。剣菱体の表面の偏平な円圏内は、二条の隆線で十字に四分割され、全体に珠文が配されている。

珠文と隆線と円圏による文様構成は、この鈴杏葉の製作年代の特徴を表わし、中田横穴出土の鈴杏葉と同じ形式的な特徴から、六世紀の遺品と推定される。

市指定有形文化財    指定 平成元年3月25日(第92号)    
長さ 4cm 幅 13cm 鈴径 4.7cm

竹林七賢図硯屏(ちくりんしちけんず けんびょう)

衝立風の陶製の小品。 腹と背に竹林七賢図と蓬莱図が描かれていて、配置される和装仕様に応じて使い分けされたと思われる。 

江戸時代中期から後期に流行した文人趣味と相まって、書院飾りとして使われたものと考えられる。竹林七賢図は、近世に障屏を飾る題材に頻用され、蓬莱図も同じく、鏡背意匠によく取りあげられている。江戸文化への憧憬とその受容をよく物語る資料である。

作者は不詳であるが、磐城焼として伝世し、当時の文人世相を示す作品として貴重である。なお磐城焼とは、磐城平藩主内藤家の御用窯で、延宝年間に内藤義概によって開窯された。


市指定有形文化財    指定 平成11年4月30日(第146号)
総高 15.7cm、左右幅19.8cm

仙女蟠桃図硯屏(せんにょばんとうず けんびょう)

陶製の衝立風小品。脚台に衝立が乗る形状を示し、市指定の他の二つの碩屏とは違いが目立つ。

主面の画は浮彫りが浅く判然としない。山の尾根で狩をするかのように、一人は矢筒を背負い短弓を曳く。一人は刀らしきものをかざして走り、一人は長槍を突き出して構え、小動物を追う場面かと思われるが画題は不明である。

背面には老樹の巨株に腰を据える仙女(西王母)に 蟠桃を捧げる侍女の姿が見える。不老長寿を願う情景である。浅い彫塑はいかにも地方造りらしく、稚拙感は拭えないが、資料の少ない磐城焼の作品として伝世された価値は高い。

市指定有形文化財    指定 平成11年4月30日(第147号)    
総高 18cm 左右幅 21.5cm

射具記 (しゃぐき)

磐城平藩主内藤義概の家臣小島十郎左衛門は兵法の故実に通じ、たびたび戦のことを話題としていたが、ある時知人や門弟たちが小島にむかい、後代の範とするため法式による射具を製作し、飯野八幡宮の神庫に献納しようと諮った。

それに応じた小島は八個の射具を造り、この次第を葛山頤篤軒に記述するよう命じた。葛山は射具の製造、用法の起源を中国の古典より引いて述べ、日本の古伝にも触れて製作の意義を明らかにしている。

この巻子本は射具八種とともに、延宝5年(1677)8月八幡宮祭礼にあわせて奉納されたものである。筆者の葛山為篤は武田家の遺臣で、内藤忠興妻・天光院の縁をもって内藤家に仕え、忠興・義概の代に文雅の才を大いにあらわしたが、単にその書跡であるということのみにとどまらず、79名もの上級家臣の姓名が実名を付けて確認されることは、内藤家家臣団の研究資料としても貴重である。

市指定有形文化財    指定 平成16年4月28日

廉帳賛并序 (れんちょうのさん ならびに じょ)

内藤家家臣川名勘助は、江戸詰を終えて役を退いたのを機に、朋輩数名と語らい奉納するため簾箔(れんぱく…みす)を調製した。その折の呼びかけに漏れた者たちの強い要望でさらに帳帷(ちょうい…とばり・たれぎぬ)の調製を計画し奉納した。

川名勘助はこの次第の記述を葛山為篤に依頼し、葛山はその意を「賛并序」として、延宝6年(1678)正月に書き記した。

この「賛并序」によって、藩主や上級家臣が単独或いは小人数でした奉納とは異なり、70名にもおよぶ中級の家臣と藩に関わる者たちが、衆力をもってした奉納の様子がよく分かる。延宝2年(1674)に藩が大きく関わって行われた八幡宮の大改修の後に続いた家臣たちの奉納の一環を知ることができる。また、これほど多くの家臣名の列記も他に類品を見ることがない。葛山為篤の筆跡であることとともに、内藤家時代の藩政資料としても貴重である。

市指定有形文化財    指定 平成16年4月28日

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